線条体黒質変性症の治療
線条体黒質変性症を根本的に治療(完治)する方法は、残念ながら存在しません。現在のところでは、対処療法による延命的な治療、生活の質を高めるための取り組みが限界とされています。ただし、予後も含めて線条体黒質変性症をとりまく状況は徐々に改善されていますから、画期的な新薬の開発など、遠くない将来に大きな前進が見られる可能性も否定できません。現在も世界各国の医療機関で研究が進められています。
線条体黒質変性症には「薬が効きにくい」という難点がありますが、それでもパーキンソン病の治療に用いられるドーパミン作動薬(パーロデル、ペルマックス、ドミンなど)が運動機能を改善する例も見られます。また、起立性低血圧や排尿障害、便秘など自律神経に関する症状については、抗コリン薬(ポラキス)、ノルアド レナリン遮断薬(ミニプレス)、コリン作動薬(ウブレチド)などの効果が認められており、多くの患者さんについて症状の緩和・改善が期待できます。
運動機能の維持・改善については、投薬治療よりもむしろ理学療法(リハビリ)による取り組みが推奨されています。具体的には、筋力トレーニング、各種の機能訓練、マッサージなどにより、いわゆる「寝たきり」の状態になる時期を遅らせることができるといわれています。闘病中は、病気に対する不安から、睡眠障害や抑うつ状態を生じる患者さんも少なくないようです。いずれも薬物療法(睡眠導入剤、抗うつ剤)によって症状の改善を図ることが可能です。
鍼灸治療では頭の反応区でもある「運動区」というツボを使用します。このツボを刺激すると身体の動きが良くなり、歩行の改善や運動機能の改善に繋がります。
線条体黒質変性症のリハビリ
線条体黒質変性症は投薬による治療の難しい病気だといわれています。
特に、「パーキンソン症候群」に該当する各種の機能障害にはパーキンソン病の治療薬が有効に作用しないケースが多く、理学療法(リハビリ)による取り組みが重視されています。リハビリのメニューもパーキンソン病に準じたものがメインとなり、それぞれ理学療法士や言語療法士、作業療法士など、専門家の指導の下で実践されています。
例えば、歩行障害を生じている患者さんについては、姿勢の矯正、歩行のトレーニングなどが指導されます。言語障害に対しては、呼吸法の指導や発声法の訓練などが行なわれます。「精神的なリハビリ」という意味において、患者やその家族に対してカウンセリングを行なうケースも増えています。日常的な取り組みとして、手先の感覚を維持するために編み物などを勧められる患者さんもいるようです。
いずれも「生活の質」を維持するために重要な取り組みですが、過度なリハビリは肉体的な負担となり、病状を悪化させてしまう懸念もあります。逆に、取り組みが不十分であったり、継続期間が短かったりすると、十分な効果は期待できません。独力で自分なりに工夫して取り組んでいる患者さんも多いようですが、適時、理学療法士、医師などのアドバイスを仰ぐようにしてください。症状が進行するにつれて、リハビリ中に怪我をするリスクが高まります。できるだけ第三者の監視の下で実践することをおすすめします。
線条体黒質変性症と鍼治療の効果
鍼治療で運動機能を改善
線条体黒質変性症については、現在のところ有効な治療法が存在せず、東洋医学からのアプローチも盛んに模索されています。特に鍼治療については、一部の自律神経症、運動機能に障害に対して改善の報告なされており、その効果に注目が集まっています。効果の程には個人差が大きいものの、中には劇的に症状が改善された例もあるようで、一般的な医療行為(西洋医学)とは異なった観点から鍼治療を推奨する専門家も少なくないようです。
鍼治療の基本的な考え方は、人間が本来有する自己治癒力を高める、という東洋医学の伝統に根ざしたものです。そのため、短期間で効果が得られる類の治療法ではありませんが、事実として線条体黒質変性症の他にも、古来から様々な難病治療に活用されています。特に神経系の病気については実績が高く、西洋医学との相乗効果を指摘する声もあります。
ただし、科学的なメカニズムや効果が実証されているわけではないので、投薬やその他の医療行為に取って代わる治療法と断言することはできません。あくまでも医療行為は専門の機関で実践しながら、補助的な療法として鍼治療に取り組む、というのが一般的な治療スタイルのようです。
鍼灸の効果は施術者の技術によって差が大きいので、信頼の置ける鍼灸医を探すことも重要です。
現在、当院のように難病を専門に扱う鍼灸医もいますので、それら実績のあるクリニック、鍼灸院を選ぶことを心がけてください。
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