線条体黒質変性症の予後は不良で、病状はほぼ不可逆的に進行していきます。類似の症状を示すパーキンソン病は生命予後(余命)にほとんど影響しませんが、線条体黒質変性症の場合は、多くの患者さんが発症後5年から10年以内に死亡するとされています。運動機能の障害に対しては有効な治療薬がなく、病状の進行もパーキンソン病よりかなり早いようです。ただし、自律神経障害の治療を中心に適時対応を行なうことで、経過の良化を期待することはできます。
寝たきりの状態になると予後が悪化する傾向にあるため、できるだけ長い期間、健常者と同じ生活水準を保つことが望ましいとされています。運動機能を維持するための理学療法(リハビリ)、自律神経障害に対する投薬が重要視されるのはこのためです。
特に、線条体黒質変性症の末期においては呼吸障害による突然死のリスクが存在するため、厳重な管理・看護のもとでの生活が求められるケースが多いようです。血中の酸素濃度を測定し、自力による呼吸が困難と判断された場合には、気管内挿管、もしくは気管切開を施術することで予後の良化が認められます。
いずれにしても、末期の患者さんについては自宅での療養が困難な場合が多く、睡眠中も含めて24時間体制のモニタリングが必要になる可能性が高いようです。漸次病状の悪化する難病ではありますが、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)と生命予後は治療方針に左右されるということは、ぜひ覚えておいてください。
鍼灸の適応に関しては比較的早期の段階になります。症状が進んでいる末期の段階で治療はなかなか改善につながることはありません。早期の段階で治療出来れば予後の悪化をくいとめることが出来ますので、早めの治療をお勧めいたします。

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