網膜色素変性症には失明のリスクが存在します。ただ、症状には個人差が大きく、一般的なケースでは、病状は数十年かけてゆっくりと進行していく例が多いようです。高齢になっても高い水準の視力を維持できいる患者さんは少なくありません。「失明」とは、厳密に言うと光を全く視認できない、視野がゼロになった状態を指します。網膜色素変性症は、視野狭窄(視野が狭まる症状)の進行によって50歳~60歳までに失明に至るケースが報告されています。ただし、網膜色素変性症においては完全に失明する事例は250人に1人程度であり、その可能性はかなり低いといわれています。また、患者の約6割は、発症後40年間に渡り0.2以上の視力を維持しているという報告もあります。
幼少時より視力の低下をきたしている例では40代までに失明する可能性もあるようですが、これはあくまで例外的な事例であって、網膜色素変性症による失明のリスクは、一般に考えられているほど高いものではないようです。
多くの場合、失明というと、何も見えない暗闇のような状態をイメージされる方が多いようです。これは「医学的失明」といわれる状態で、先ほども述べたようにかなり稀な症例といえます。対して、日常生活に支障をきたすレベルの失明(社会的失明といいます)は、視力0.1以下のケースを指します。網膜色素変性症の病状がこの社会的失明にまで進行する例は多いといわれていますから、病状に応じたクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の変容はある程度覚悟する必要があります。
網膜色素変性症の鍼治療では早期に治療を加えれば、失明のリスクどころか進行を抑制させることが出来るため非常に有効な治療とされています。

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