多系統萎縮症の予後は不良で、類似した症状を生じるパーキンソン病と比べても、悪化するスピードが早いケースが多いようです。発病後、10年以内に死亡する例が少なくありませんが、生存期間には徐々に改善されています(個人差もありますし、各病型によっても多少予後が異なります) 。ただ、機能予後の見通しは深刻な症例が大半で、発病後数年で寝たきりの状態になる患者さんも珍しくありません。生活の質の向上、臥床による運動機能の低下を防ぐためにも、理学療法、リハビリに対する取り組みが重要です。
自律神経障害に対しては投薬による治療を重点的に行い、呼吸機能の低下などによる突然死を予防することで経過の改善を図ることが可能です。症状が進行し呼吸機能に障害があらわれた場合には、気管切開の手術によって呼吸を助ける処置が講じられることもあります。
多系統萎縮症の生命予後を改善するためには、特に突然死を予防することが重要だといわれています。多系統萎縮症の症状が悪化すると、睡眠中に声帯が狭くなる現象(声帯開大不全)がよく見られます。他覚症状としては大きな「いびき」が出現し、その度合が患者さんの呼吸状態を知る一つの目安となります(血中の酸素濃度を計測することで客観的なデータを得ることも可能)。この他、むせにより引き起こされる肺炎や窒息が致命的な原因となることもあるため、末期の患者さんについては24時間体制のモニタリング、手厚い看護が求められるケースが多いようです。

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