多系統萎縮症の症状は、病気の種類によって異なります。
「線条体黒質変性症」の場合は、動作に時間がかかるようになる動作緩慢、筋肉がかたくなる筋固縮、および体の震えなど、パーキンソン病に類似した症状が見られます。ただし、パーキンソン病の治療薬はこうした症状に効果を発揮しない例が多く、「薬が効きにくい」という特徴があります。震えの症状はパーキンソン病と比べて軽度の症例が多く、症状は体の左右で均等に出る例が多いようです。症状が進行すると歩行障害、言語障害などが見られるようになりますが、知能に関する障害はあまり見られません。
「オリーブ橋小脳萎縮症」においては、体のバランス感覚が失われる症状や、四肢の失調(痺れや震え、思うように動かせないといった症状)、呂律が回らないといった症状が見られます。多系統萎縮症として診断される場合もあります。
「シャイ・ドレーガー症候群」の場合は、立ちくらみや失神、排尿障害などの自律神経障害を発症するケースが多く、便秘、インポテンス、発汗異常なども比較的よく見られます。また、排尿障害から生じる膀胱炎などの尿路感染症を発症する患者さんが多く、そのことが原因で発熱する例が多いとされています。あわせて体温調節が難しくなるため、抗生物質による治療、寝具を薄くする、部屋の温度を下げる、などの日常的な取り組みが必要になります。
ちなみに、病状は三種類が混在して進行する例も多く、悪化に伴い上記の三疾患は区別が付きにくくなる傾向があります。ですので、これらの3疾患は多系統萎縮症として診断される場合がほとんどです。

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