多系統萎縮症を発症した患者さんについては、日常的なレベルでいくつかの点を注意喚起しなくてはなりません。症状が進行し運動機能の低下が見られるようになると、転倒のリスクが高まります。特に階段の上り下りの際には大きな危険を伴うので、必ず介助を得て移動することを心がけてください。手先や足先の動きに異常が見られる場合は、車の運転も控えなくてはなりません。
食事に関しては、嚥下障害を生じるケースが多いため、できるだけ時間をかけて食べることを心がける必要があります。メニューに関しては、飲み込みやすいもの、便秘などの症状を予防・緩和するために食物繊維の多いものを選ぶようにします。食生活については、症状の進行に応じて適時、医師からアドバイスを仰ぐことをおすすめします。自律神経障害により、排尿に関するトラブル(尿が出にくい、失禁など)を生じることがあります。利尿剤の処方を受けるなどして対応してください。
闘病中は、病気に対する不安から抑うつ状態に陥る患者さんも少なくありません。必要に応じて抗うつ薬や抗不安薬を服用した方がよいでしょう。言語障害を生じると、他人とのコミュニケーションが困難になるケースもあります。口頭でのコミュニケーションが難しい患者さんについては、文字盤を使用したり、専用の機器を用いるなどして、できるだけ意志を疎通する試みを行なってください。家族や友人とのコミュニケーションを諦めてしまうと、患者さんは孤立感を深め、精神衛生上に大きな悪影響が懸念されます。

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